2009-09-13 子供の発育発達に基づいた指導を!
_ 「子供は小さな大人ではない」と言われています。これは、人間の身体の器官や機能の成長が、大人に至るまでの過程において、非常に「時間差や個人差」があるということを表しています。
すなわち、人間とはアンバランスな状態から、最終的にバランスのとれた状態になっていくのです。
子供たちの各年代における特徴とは、
_ *プレゴールデンエイジ(5歳〜8歳頃)
この時期の特徴として、神経系機能の発達が著しく、様々な神経回路が形成される時期ということがあげられま す。したがって、その神経回路に様々な刺激を与え、その回路をさらにはりめぐらせること、すなわち、できる だけ多種多様な動きを体験させてあげることが非常に重要となります。この時期に行なう様々な「遊び」や「運 動経験」の一つ一つが、後になって必ず生きてくるのです。
_ *ゴールデンエイジ(9歳〜12歳頃)
9歳〜12歳頃になると、神経系機能の発達がほぼ完成に近づき、形態的にもやや安定した時期に入ります。
この時期は、ゴールデンエイジの時期と言われており、人間の一生に一度だけ訪れる動作習得に最適な時期(即 座の習得)です。そのため、子供たちの将来を考えた場合、この時期の指導は非常に重要であり、サッカーに必 要な様々なスキル(判断を伴う実戦的な技術)を習得させてあげることが目指されなければなりません。
_ また、この時期の子供たちを育む環境では「オン・ザ・ピッチ(指導現場)」以外の「オフ・ザ・ピッチ(日常 生活)」においても良い習慣を身につけることが大変重要になってきます。
_ 子供たちの将来を良く考え、何を優先させるべきか?
_ *ポストゴールデンエイジ(13歳以降)
この時期は、男性ホルモンの分泌が著しくなり、速筋繊維が発達するため、それまで身につけた技術をより速く
より強く発揮することが可能となってきます。一時的にスランプに陥ったり、今まで目立たなかった子が急に頭 角をあらわしてきたりするのも、この時期に多く見られる特徴のひとつです。
_ このように、子供たちはアンバランスな発達をしながらも、最終的にバランスのとれた状態へとなっていくため
同じトレーニング課題を与えても吸収しやすい時期としにくい時期とがあるのです。
_ こう考えると、将来りっぱな選手を育てるためには、先を急がず子供の発育発達に応じた適切な指導を行ない、 長期的視野に立った一貫指導が大切ではないかと思います。